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第十七話「すでに、与えられている。」

健康とは、グラデーションだ。

死以外の現象は、例え病んでいても、僅かな健康のシステムが繋いでくれている。その力が残っている限り、私たちの中に健康は残っている。

そしてそのグラデーションは、あなた次第で濃くも淡くもなる。

———

「健康になりたい。」

その願望に、光を当てた瞬間——影が生まれる。健康ではない自分が、その影に映っている。

深層心理は、その影も登録する。願いながら、不健康を維持し続けるブレーキが、静かにかかり始める。

———

脳幹網様体賦活系——RASと呼ばれる脳の機能がある。

意識が「大事だ」とマークしたものを、現実の中から自動的に拾い上げる仕組みだ。赤い車を意識した瞬間、街中の赤い車が目に入り始める。あれだ。

問題は、RASは願望と、その影を——両方登録することだ。

———

では、どこから始めるか。

今朝、目が覚めた。朝日が見えた。命が続いている。

それは当たり前ではない。死は、すぐ隣にある。今日も僅かな健康のシステムが、あなたを繋いでくれている。それは——すでに与えられた、途方もない祝いだ。

———

感謝した瞬間、RASは動き始める。

「与えられているもの」に焦点が当たる。すると現実の中から、豊かさの証拠を次々と見つけ始める。未来は引き寄せるものではない。気づくものだ。

———

楽しみながら、體と対話しながら、心も體も喜ぶものを選ぶ。

義務は続かない。我慢は身体を縮める。でも喜びは、身体が自然に向かう方向だ。報酬系の罠にかかることなく——喜びそのものが、羅針盤になる。

———

「健康になりたい」ではなく、今朝目が覚めたこの身体が、すでに奇跡だ。

健康のグラデーションを濃くするのも、あなただ。そこから始まれば、未来はもう動き出している。

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