食事が整い、五感が開き、呼吸が深まるとき——身体の内側で、静かな変化が起き始める。
内受容が高まる。
内受容とは、身体の内側から届いてくる感覚のことだ。臓器の状態、呼吸のリズム、腸の動き——それらが感覚として意識に届いてくる力。
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友人がこんな例えをしてくれた。
「内受容とは、内側から届いている無数のLINE通知をどれだけ既読できるかということだ。」
身体は常に内側からLINE通知を送り続けている——臓器の状態、呼吸のリズム、疲労のサイン。でも現代人の多くは、忙しさを理由に既読スルーし続けている。
やがて感じなくなる。そして身体は、より大きな通知として語り始める。
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日本には古来から、肚(ハラ)の文化がある。
「腹を割って話す」「腹が決まる」——肚には本音や潜在的な欲求が宿ると、日本人は感じてきた。
感覚とは、概念よりも前にあるものだ。
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しかし現代において、内受容は低下しやすい。
意識があちこちに散らばり、身体の内側の声が聞こえにくくなっていく。概念や外側の情報によって行動を決めてしまう。肚の声が遠くなっていく。
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體と向き合ってきた現場で、何度も目の当たりにしてきたことがある。
食事を整え、五感を開き、呼吸が深まった人たちが、ある時期から人生を動かし始める。
結婚、転職、開業、新しい習い事——それは外側からの変化ではなく、肚の声に素直になった結果として起きている。
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感覚に気づくことで、自分が本当に求めているものが見えてくる。
その感覚が、次の一歩を決める。
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時間軸のズレを今に戻す旅は、肚の声を取り戻す旅でもある。
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次回は、その感覚が社会との繋がりの中でどう広がっていくかを考えていきます。

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